終戦日


20数年前、俳句を学び始めた頃、歳時記で見た次の句にとても心惹かれた。


終戦日妻子入れむと風呂洗ふ  秋元 不死男


平和や反戦を声高に主張している訳ではないが、しみじみと訴えかけてくるものがある。この句で初めて知ったこの俳句作家、後に作者の経歴と句の背景を知った。


 「秋元 不死男(あきもと ふじお、1901年11月3日 - 1977年7月25日)は、神奈川県横浜市出身の俳人。本名は不二雄。島田青峰に師事し「土上」「天香」(1940)に参加。新興俳句運動に加わり、京大俳句事件に連座して1941--1943の間投獄される。戦後は「天狼」参加を経て「氷海」を創刊・主宰。」---Wikipedia


「作者は、治安維持法による俳句事件で2年間の獄中生活を強いられました。その間に平和に生活するということがいかに大切かを身にしみて味合わされました。風呂を洗って妻子を入れるという当たり前のことがいかに大事かを教えてくれます。」
ーー学習院大学の田中靖政ゼミ OB OG会 blog 深秋会より


日常の生活に根差しつつ、深く心に訴えかける力を持った俳句を目指したいものです。


裏庭に燃やす紙くづ敗戦日  エリザベス