紅葉の頃の栗林公園

香川県高松市にある栗林公園。国の特別名勝に指定されている、江戸初期の回遊式大名庭園。「一歩一景」と言われるほど、どこを見ても美しく、どこを撮っても、綺麗に写ってくれる。11月29日の撮影。


北の池より出発。まず、「群鴨池(ぐんおうち)」と呼ばれる鴨の池。今年は鴨の数が去年の同時期より多いようだ。岸の紅葉が水にうつって美しい。


  浮いてゐて鴨に万里のこころざし    山口 いさを
  陣を解き思ひおもひの鴨の水尾(みお) エリザベス



隣の「芙蓉沼(ふようしょう)」では、蓮がすっかり枯れていた。



  一日を静寂(しじま)の中に枯蓮(かれはちす) エリザベス



西側の池の方に歩を進める。ここにも楓紅葉。



「西湖(さいこ)」と呼ばれる、いつ見ても神秘的な池。水の中に、もう一つの世界があるようだ。



ぜんざいの茶屋は通り過ぎて「南湖(なんこ)」へ向かう。



絵葉書にもよく使われる、「掬月停(きくげつてい)」。和船が南湖を回っている。



池の真ん中にある「楓嶼(ふうしょ)」。楓紅葉が鮮やか。


    冬紅葉冬のひかりをあつめけり    久保田 万太郎



「楓岸(ふうがん)」と呼ばれる沿岸は遊歩道になっている。後ろの山は、借景「紫雲山(しうんざん)」。




    毎日が去る日ばかりや散紅葉     百合山 羽公



最後に「偃月橋(えんげつきょう)」と呼ばれる、これもよく絵葉書などに使われる橋。この日結婚式を挙げるカップルの写真撮影が行われていた。



最後に、楓の枝の下からもう一度「楓嶼」を見て、栗林公園を後にした。




立冬と石蕗の花(つわのはな)

暖かい立冬も過ぎてはや四日。ずっと穏やかな天気が続いている。
徳島との県境に近いダム湖。湖面が硝子のように滑らかで静か。
舟に乗って釣りを楽しんでいる人たちもいる。周辺の山々の紅葉は
まだこれからというところだった。



冬来れば母の手織りの紺深し     細見 綾子
投函の封書の白さ冬に入る      片山 由美子
米一合磨ぐ指先や今朝の冬      田中 愛
冬に入る買ひ足しておく葛根湯    エリザベス


先日久しぶりに近くのお寺に行ってみたら、境内に石蕗の花が咲いていた。
初冬の代表的な花の一つ。葉が蕗の葉と似ているのでこの名前がついたと

いうことだが、石蕗の花はキク科である。海岸などに自生するが植栽もされている。



だんだん花が少なくなるこの時期、この花の黄色は水辺や足元を
ぽっと明るくしてくれるが、どことなく暗さを合わせ持っている
花でもある。



石蕗の花心の崖に日々ひらく     横山 白虹
つはぶきはだんまりの花嫌ひな花   三橋 鷹女


これら石蕗の花の暗さを感じさせる句に、妙に心惹かれるものがある。
いろいろなイメージを喚起し、さまざまに詠まれている石蕗の花。
非常に興味深い句材である。


石蕗咲いていよいよ海の紺たしか    鈴木 真砂女
静かなるものに午後の黄石蕗の花    後藤 比奈夫
石蕗の花逢わねばいつか遠い人     福田 幸子
石蕗の花腹を決めたる色であり     雨村 敏子
波高き伊豆の断崖石蕗の花       エリザベス



菊花展


先日、高松市の「公渕(きんぶち)森林公園」で開催されている「菊花展」へ、菊の観賞と俳句作りをかねて、俳句仲間と出かけた。


三本仕立てのふっくらとした菊は、一般に「厚物咲き」と呼ばれているものではないかと思うが、これには「ダルマ菊」という札が立っていた。




ドーム型のは「千輪菊」。三本仕立ても千輪菊も、ともに根は一本。大変な手間をかけてここまでの形に仕上げたことと思う。



今年は菊の開花が遅いとのことで、「懸崖菊」はまだ花が少なかったのが残念。香川らしく、「栗林公園」や「瀬戸大橋」を模した作品もあった。



 
常連の名札が並び菊花展      川添 歓一
 菊花展気儘な菊はなかりけり    秋山 未踏
 菊花展あまねく鉢の濡れてゐし   尾崎 義之
 千輪菊一本の根のこころざし    エリザベス

菊花展手入れに来たる友に会ふ