通草(あけび)

今月末にもたれる所属結社の定例句会の兼題の一つが「通草」。日頃あまり身近に見る機会のないものだ。去年吟行に行ったときに見た通草を思い出しながら、また歳時記などの例句を参考にしながら作らなければならない。



これはまだ青い通草


山の子に秋のはじまる青通草  後藤 比奈夫


季重なりだが、雰囲気があり好きな句だ。


あけびの実かさなりあひてまだ熟れず  小林 はる子


これも青通草を詠んだ句で、情景が浮かんで来る。



通草といえば、やはりこのように裂けたところを詠んでいる句が面白い。


割腹の通草ためらひなかりけり    大橋 敦子


青空に裂けて通草のがらんどう    都筑 智子


私も去年の吟行で、「みづからを見失ふほど通草裂く エリザベス」というのを作ってみたが、大した句ではない。


この写真の通草は乾いてしまった白っぽい色をしているが、最初はセピア色のような淡い色から、だんだん美しい紫へと色を変えてゆくようだ。


その他、参考になる句として


ひそやかに通草山国色となる   後藤 比奈夫


何の故ともなく揺るる通草かな  清崎 敏郎


夕空の一角かつと通草熟れ    飯田 龍太


おそろしく乱れてをりぬ通草の藪    高澤 良一